膵臓から分泌されるインスリンは、血中のブドウ糖を筋肉や肝臓に取り込む働きをしますが、この働きが不十分だと、糖尿病という形で症状が現れます。

糖尿病を放置すると、神経障害、腎症、網膜症などのリスクが高まり、全身にさまざまな影響を与えます。

クロムが持つインスリンの働きを増強し、血糖値を制御する効果について解説していきます。

クロムとは

クロムは、正常な糖代謝、脂質代謝を維持するのに重要かつ必須な栄養素です。特に血糖値の調整作用をサポートする効果が注目されています。

ビタミンCとの相乗効果

クロムは体内に摂取されると、小腸で吸収されます。吸収率は低いですが、ビタミンCと一緒に摂取すると、相互作用で吸収がよくなるとされています。ビタミンCの健康に不可欠な3つの効果もご参照下さい。

吸収されたクロムは糖たんぱくと結合して、血中から肝臓、腎臓、脾臓、骨などに集まって作用します。

含有量の多い食品

クロムは以下の食べ物などに多く含まれています。

  • バジルやパセリ
  • 小麦胚芽などの穀類
  • 大豆などの豆類
  • 海藻やわかめなど

ただし、シュウ酸と一緒に摂取すると、吸収が阻害されますので、調理の際はアクをとるようにしましょう。

摂取量

1日あたりの摂取目安量は、成人男性で40μg、女性で30μgとなっています。

クロムの欠乏は、糖質、脂質の代謝に支障をきたし、高コレステロール血症や、動脈硬化、そして糖尿病などの健康被害を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。DHAのコレステロールを調整する3つの効果も合わせてお読みください。

過剰摂取

通常の食事で取り入れる3価クロムは、吸収率が低いこともあり、過剰摂取によって健康に害が出ることはまずありません。

しかし、1日600~1000μgのクロムを長期間継続的に摂取した場合、副作用が起こり得ることが分かっています。

副作用

クロムを過剰摂取した場合に起こる副作用は、以下の症状が挙げられます。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 肝障害
  • 頭痛
  • 不眠などの睡眠障害

クロムの効能

クロムはインスリンの働きを増強し、血中のブドウ糖が筋肉細胞に効率よく取り込まれるようにサポートします。

このように、インスリンはクロムがなければ、働きを高めることができないので、クロムが不足すると、糖の代謝が正常に進まなくなり、疲労が溜まるなどの症状が現れます。

これらが更に深刻になると、糖尿病や動脈硬化を引き起こすリスクが高まってきます。

インスリン

健康な人の体内では、血液中の糖分を細胞に取り込むホルモン「インスリン」の働きにより、血糖値が一定の幅に保たれています。

ところが、インスリンの分泌が低下したり、働きが悪くなったりすると、糖分を細胞に取り込めなくなり、血糖値が上がったまま、下がらないようになり、結果として糖尿病を患うことに繋がります。

中性脂肪を正常にする

また、クロムは脂肪代謝を促進し、血中の中性脂肪やコレステロール値を正常に保つ働きがあり、ダイエットなどをサポートするとも言われています。メタボのリスクと症状改善を積極的支援するサプリもぜひご一読下さい。

また、Ⅱ型糖尿病に対しての有効性についても研究が進められています。糖尿病の種類については、血糖値の正常値を維持する方法もご参照下さい。

糖尿病治療薬を使用中の人は注意

クロムは、インスリンの働きを助け、糖尿病などの予防に良い作用をもたらしますが、既に糖尿病を患い、治療薬を服用している人は注意が必要です。

クロムの摂取と治療薬の飲み合わせによるインスリンの過剰分泌により、低血糖を引き起こす可能性があるため、服用の際には医者との相談を推奨します。

また、腎障害がある人も、クロム摂取により症状が悪化する可能性もあるため、要注意です。

糖尿病を防ぐために出来ること

糖尿病を防止するためには、過剰なカロリー摂取を抑え、血糖値を正常化することが大切です。これらに対して対策を行うことで、糖尿病などのリスクを低減することが可能です。

クロムはインスリンの働きを増強し、血糖値が一定の幅に保つ働きをサポートします。さらに、脂肪代謝を促進し、血中の中性脂肪を燃焼する作用を支援することで、過剰なカロリー摂取を防ぎます。

食事やサプリメントなどを通して、「適切」にクロムを補給することは、血糖値の急激な上昇を防ぎ、糖尿病を予防する上で大切なことなのです。